いつもより少し寝起きが悪い
昨晩からの不安定さに思い当たる
朝の支度はいつも以上にぐずつく
今の時点で平熱。たすかった。
緊迫の当日欠勤連絡をしなくて済むことにまずは胸を撫で下ろす。
自分の思考にうんざりする。
いっぱい抱っこしてから保育園まで送るね
できるだけ早く帰るね。

いつも通り延長保育は確実かも。ごめんね。
いつもと違うことにはすぐに気づくことができる。
その瞬間、園も仕事も休むことを選択できない自分が情けない。
子どもと一緒に涙を浮かべ登園し、罪悪感を全身にまとい出勤。
自宅で保護者とゆっくり過ごすことができれば、幼い子どもにとってどれだけ安心するか
悪化と不調が長引くこともわかっていて、無理を承知で集団生活させる選択肢しか持ち合わせていない。
家族の体調に異変がない時は当然持てる力を発揮し貢献したい。
ただ、ここぞというときは半日様子を見る・出勤しない選択もできる自分でいることはできないか。
発熱というサインがでるまでは不調を可視化できない。
不調を証明する数字が無いうちは見ないようにするしかない。
その時はそう思っていた。
目の前の不調を察知した時、相手が療養中の患者であれば
早めに休養が重要であることを伝え、頻繁な経過観察も欠かさない。
早期発見、初期の適切な対応こそ重症化しないための基本。
自分自身や自分の家族には、早期発見早期対応の基本を適用できない。
わかっている。
これまで看護師として一番近くで支援し毎日ご本人の話を聞いてきた。
あの時仕事ばかり優先していなければ。
もっと家族との時間をとっていれば。
旅行に行っていれば。
元気だった頃に「また機会」があると思い後回しにしてきたこと
病気になり口々に語られることは「時間」「健康」を蔑ろにしてしまったことへの後悔。
無理を続け、一番大切にしたいものより他のものを優先してしまっていたこと。
熱を出したくて出す子どもはいない
不調になりたくてなる人もいない
周りに迷惑がかかる、調整はできないと個人を責める管理者はまだまだいる。
その様子を見てきた若手は自らがそうなる前にこの場所を離れたいと願う。
私たちは知ってる。失ってからでは遅い。
抜け出せない悪循環
ナースを続ける限り、この悪循環の中をさまよい続ける覚悟は必要。
元々ある慢性的な人員不足による様々な組織構造的問題点を人で埋めることはできない。
ギリギリでも現場が踏みとどまっているならその数が「充足」補充されることのない欠員。
年度途中の人員補充がないことは多くの現場で前提のように扱われている。年度はじめから補充がなく欠員スタートの部署は多数。
通常時で一人当たりの業務量は多く、イレギュラー対応も複数人でできる余裕はない。
一人にかかる負担が大きくミスを誘発。
ギリギリのため丁寧なフォローは難しい。できて当然、できなければ減点のシビアな世界。
患者の高齢化、医療が高度化しているなかで疾病構造も複雑化の一途。
単科対応は難しい。様々な知識と技術が必要。業務も確認事項も書類も全て流動的で煩雑。
通常では終わらない業務を終わらせるため、周りを気にせず自分の業務に専念せざるを得ない。
声をかけられることを歓迎できない。
挨拶にたいする返答のないシーンも日常化。
心ここにあらず、聞こえていないことも多々。
自分の業務も終わらないなか、残務を引き受ける義理はない。
そこまでの関係構築ができる環境もない。
時間も肉体的・精神的負担も限界ギリギリ。
時間区切りで退勤することの多い育児中のスタッフへの不満は積もりやすい。
中堅やベテランスタッフへの業務の割り振りが増える。
どうせまたすぐ辞める若手のために教育する必要性も感じない。
水が高いところから低いところへ流れるようにストレスの矢は新人や新規職員へ放たれる。
多忙ななかでも正当に個人をみている人も必ずいる(残念ながら少数ではある)
正義感が強く真面目な人材が多い。
多くの場合、踏ん張る。
しかし誰にでも限界は来る。
新人も中堅も限界までだましだまし無理をつづけ
ある日、身体や精神に何らかの不調が出る。
人員不足が生む歪みによって更なる職員離職は続く。
悪循環から抜け出すことのできないなか、医療資材の高騰、診療報酬の改定で医療機関の経営難に追い討ち
この業界での経営努力として、人件費を下げるための努力はあっても上がっていくことはないと考えていい。
需要はなくならない業界。必要とされていながらも、上がらない待遇。
必要とされているのは、待遇面で疑問を持たないとにかく献身的な人材。
「どこにいっても同じだよ」と上司は言う。
この業界、どこも同じ。という現実に目眩を覚えた。
【今すぐできる】学ぶという備え
単純に在宅ワークというものに憧れがあった。
チャンスがあれば、異業種への道も考えたいと思った。
大手IT企業の採用担当をしている友人から、
自分は何も変わらないまま、良い環境を探そうとしてる?と聞かれたことがあった
これまでの経験だけで、未経験の業界で自分の望む環境に身を置けるほど価値があるか。
美容業界に転職を果たした元同僚は、転職を視野に前職場の在職中に
まずは自分が美容クリニックに通いカウンセリングや施術を受けとる側として経験し続けた。
それによって知識も増え、美容という場に居心地よく馴染んだ感覚があった。と言った。
不思議なことに、その後ご縁がつながり彼女は美容業界に転職した。
「備える」ことは今すぐにできる。
もし、行きたい環境や理想の働き方があるのであれば、その場所に必要とされる自分になること。
自分にとって理想の働き方、理想の人生を送っているひとを見つける。
その人がいる環境を知る。
ITであればコーディングを学んでみる
ブロガーであればブログを書いてみる
美容であれば美容知識をつける
インフルエンサーであればSNSを学んでみる 発信してみる
その全ては今すぐにでもできること。
備えがあれば、行動するための力になり成功率も高める。
予備知識があることによって多少の失敗もカバーできる。
学びこそ最大の備え


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